自分自身から「役」に変化するとき
さらに、ひとくちに“女性”とくくれない、さまざまな女性を演じてきた。お姫様に腰元、町娘、遊女に人妻……2015年には歌舞伎十八番のひとつである『鳴神』で宮廷一の美女「雲の絶間姫」を演じて十三夜会奨励賞を授賞し、2022年には歌舞伎『風の谷のナウシカー白き魔女の戦記ー』でナウシカを演じた。
さらに今年3月には新作歌舞伎『ファイナルファンタジーX』でユウナを演じ、自身のInstagramに「可愛すぎて心臓が止まりました」などの絶賛コメントが相次いだことも。
“自分”から、それぞれの役へとCHANGEするときにもっとも意識するのは、「どこまでその人物に、自分を重ねることができるのか」だという。
「我々の世界では“肚”(はら)と言うんですけど、芝居をやる上での“肚”がないといけないんです。昔はよく怒られました。“お前、肚がないよ!“って。逆に肚さえあれば、あとはなんでもいいだなんて昔の方は書いていたりするくらい。」