「自分だけ…」鳴り物入りで加入も、厳しさを実感する日々

「最初はみんなそうだと思うんですけど、キラキラしている景色しか見えないじゃないですか。入ってから、厳しさを実感しました。覚えているのは、劇場公演の初日のこと。私の初公演に向けて、チームの先輩たちが私だけのためにリハーサルに参加してくださるんですが、みんなは経験をいっぱい積んでいるから、自分だけができないことが強調されるんです。“自分だけができないんだ”と、すごく落ち込んだことを覚えています」

――まったくの未経験で加入したんですよね。

「ダンスを半年習ったことがあるくらいで、ほとんど未経験の状態でした。みんなはダンスも歌も上手で、導線も完璧で。私は全然覚えられなくて、もう、ずっとずっと、“どうしよう、どうしよう”と悩んでいましたね」

本郷柚巴 撮影/河村正和

 それでも努力を続け、2015年10月7日、なんとか初公演の舞台を踏むことができた。が、順調に物事が進むには、まだ時間を要した。

「今となっては笑い話なんですが、初公演以降、公演に出られない時期があったんですよ。本当に導線が覚えられなくて、いつも先輩にぶつかっちゃったりして。その時期はいつも1人でレッスン場で練習したり、先輩がつきあってくださることもありました。そんなふうに練習を続けて“そろそろいけるかも”という自信がついてきたくらいのときに、先輩の上西恵さんが”最近どう? 元気してる?”と連絡をくださったんです」