現在も語り継がれるドラマ『池袋ウエストゲートパーク』のキング・安藤タカシ役でスターダムに駆けあがり、映画『ＧＯ』『凶気の桜』に主演した窪塚洋介。順風満帆かと思われたが、０４年にマンション９階から転落。０６年からはレゲエＤｅｅｊａｙ「卍ＬＩＮＥ」名義で音楽活動を開始。１７年には映画『沈黙－サイレンス－』に出演しハリウッドデビューするなど、とにかく「ＣＨＡＮＧＥ」だらけの人生を歩んできた。窪塚さんはそれぞれの場面で、いったいどんなことを考えていたのだろうかーー？
【第１回／全４回】
自分本体として歩いていく
「よろしくお願いします」取材前、窪塚洋介さんは、取材者の目をまっすぐ見てあいさつをしてくれた。「なんでも聞いてください。答えますから」そう言っているような、熱くありながら誠意を感じさせるまなざし。それに導かれるように、いきなり「ＣＨＡＮＧＥ」について聞いてみた。
ーー窪塚さんにとって、人生が変わった、と思われるような「ＣＨＡＮＧＥ」はなんでしょうか？
窪塚「何個かあります。まず、この業界に入った時。落っこちた時。レゲエミュージックを始めた時。最初の子どもを授かった時。そして、マーティン・スコセッシ監督と仕事をした時。……この中では、やっぱり転落じゃないですかね。そこは避けて通れないものなので」
窪塚さんは、２００４年に自宅マンションの９階から転落。一時、重体となる大怪我を負った。活動を再開するまでに１年近くを要したが、窪塚さん本人が大きく変わる契機となったという。
窪塚「ものすごくざっくり言うと、本当の人生が始まった。より自分本体でというか、より本音で生きていけるようになるきっかけだったんです。
あれがあったから、ごまかしがきかなくなったというか、自分本体として歩いていくしかなくなった。それは、ガキの頃に描いていた、たとえば芸能界の俳優としていろんな作品に出て、業界の真ん中に存在している、っていうそういう未来じゃなくなった。でも、自分の本心からそれることはできなかった」
