齊藤工のバランス感覚
齊藤さんとの仕事が「心地よかった」のは旧知の仲であることに加え、齊藤さんが俳優であったことも大きかったようだ。
窪塚「まず演者であるということで、演者の気持ちをすごく理解できている。なおかつ映画が好きで、監督という立ち位置で裏方、スタッフの気持ちもよく分かっているので、現場にいるときのバランス感覚がすごくよかったですね。
もともと自然体な人だから、自分を出しすぎることも出さなすぎることもない、絶妙なところにいるやつなんで。それをそのまま現場でもそういうふうにいるってことが、演者側にもスタッフにもすごくいい影響を及ぼしていましたね」
齊藤さんが監督として、撮影現場を作っていく姿勢にも、心地よさを感じていたという。
窪塚「演者やスタッフのポテンシャルとかパフォーマンスを上げることに着目して現場を作っていたんで。俺なんかも個人的には現場を作ることはできても、齊藤はプロデューサーと掛け合って、ちゃんとやりやすい現場の形に落とし込んでいる。その姿はすてきだなって思ったし、そういう意味での心地よさもありましたね」