「敬意を払いながら作る」
いい作品を作るため、撮影現場を作っていく。その姿勢は『スイート・マイホーム』の主演・窪田正孝さん(35)にも感じたようだ。
窪塚「撮影は演者もスタッフも、それぞれの得意なことを現場に持ち寄って、時間と力を使ってやるものだと思うので。齊藤もそうだけど窪田も、それぞれに敬意を払うことができるタイプの人間だと思うんです。だから、みんな気持ちよく敬意を持ちあえて、一緒にクリエイションできたと思いますね」
現場にいる人々みんなが、互いに敬意を持ちあえる。それゆえの心地よさなのだろう。
取材が終わり、窪塚さんのスチール撮影が始まった。カメラの前でさまざまなポーズをとる窪塚さんは途中で、「半分ぐらいまできたら教えてもらっていいですか」と、カメラマンの初沢亜利に声をかけた。撮影全体の流れの中で、どうポーズを作っていくかを考えているのだ。
「みんなが敬意を払いながら作っていく」。窪塚さんのこの考えは、どんな現場でも変わらない。
■窪塚洋介(くぼづかようすけ)
1979年神奈川県横須賀市生まれ。95年に『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)でデビュー。2000年に放送されたドラマ『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系)に出演し脚光を浴びる。17年にはマーティン・スコセッシ監督の映画『沈黙-サイレンス-』でハリウッドデビュー。俳優以外にもレゲエDeejay、執筆などでも活躍。出演する最新映画『スイート・マイホーム』では、主人公の清沢賢二(窪田正孝/35)の兄、清沢聡を演じる。
映画『スイート・マイホーム』
冬が厳しい長野。スポーツインストラクターの清沢賢二は「まほうの家」と謳われた一軒のモデルハウスに心を奪われる。寒がりの妻と娘のために、たった1台のエアコンで家中を隅々まで暖められるというその家を建てる決心をする賢二。新居が完成し、家族に2人目の娘も加わって、一家は幸せの絶頂にいた。ところが、その家に越した直後から奇妙な出来事が起こり始める。まとわりつく様な何かの気配。赤ん坊の瞳に映るおそろしい影。地下に捕らわれ、泣き叫ぶ娘。次第に明かされる、秘められた過去‥‥。「家」を取り巻く恐怖の連鎖は家族だけに留まらず、関係者の怪死などに波及し始め、そして予想を超えた衝撃の結末に向けて加速していく。
監督:齊藤 工
原作:神津凛子「スイート・マイホーム」(講談社文庫)
出演:窪田正孝、蓮佛美沙子、奈緒、中島 歩、里々佳、松角洋平、根岸季衣、窪塚洋介
配給:日活、東京テアトル
©2023『スイート・マイホーム』製作委員会 ©神津凛子/講談社
2023年9月1日 全国公開