『芋たこなんきん』がもたらした絆

 名作『芋たこなんきん』は、07年の本放送以来、同作はソフト化されることもなく、長らく再放送も行われなかった。しかし、22年にBSプレミアムで再放送されると、視聴者から大反響。放送のたびに関連ワードがSNS上でトレンド入り。

 22年10月15日には有志が開いたファンミーティングに脚本家の長川千佳子さん、プロデューサーの尾中美紀子さんを迎え、大盛況でイベントを終えた。

『芋たこなんきん』、『カーネーション』はともにNHK大阪放送局が制作。『カーネーション』でヒロインを務めたことをあらためて振り返ってどう思うか、と尾野さんにたずねると「やってよかったです」と即答した。

「やっぱり私のことを世の中にいちばん知ってもらえたのは、朝ドラですからね。私のことを知ってもらえるようになって、私という名前と顔を覚えてもらえるようになったりとか、嬉しいことばかりでした。

 それに、『芋たこなんきん』のときと同じスタッフの方々がいたのですごくやりやすかったんです。大阪はなんだろうね……東京とは雰囲気がまた違って好きですね」

 初めての朝ドラ出演経験が尾野さんにもたらした「THE CHANGE」は、今も続く共演者やスタッフとの絆だった――。

■尾野真千子(おの・まちこ)
 1981年11月生、奈良県吉野郡西吉野村(現・五條市)出身。97年の映画『萌の朱雀』で女優デビュー、その後も07年の映画『殯の森』や10年のドラマ『mother』(日本テレビ系)などで好評を博す。11年にはNHK連続テレビ小説『カーネーション』でヒロイン・小原糸子役を務め、第72回ザテレビジョンドラマアカデミー賞と国際ドラマフェスティバル in TOKYO 東京ドラマアウォード2012で主演女優賞を受賞。また、第21回橋田賞と第37回エランドール賞の両方で新人賞を受賞した。近年では23年のドラマ『グレースの履歴』、23年の映画『渇水』など、出演多数。

■映画『渇水』
原作:河林 満(『渇水』角川文庫刊) 
監督:高橋正弥 
脚本:及川章太郎 
音楽:向井秀徳 
企画プロデュース:白石和彌
出演:生田斗真、門脇麦、磯村勇斗、山崎七海、柚穂/宮藤官九郎/宮世琉弥、吉澤健、池田成志、篠原篤、柴田理恵、森下能幸、田中要次、大鶴義丹/尾野真千子
配給:KADOKAWA
©「渇水」製作委員会 
6月2日(金)より全国公開

 

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