映画『渇水』で演じた「夫と別居中の妻」について

 尾野さんは、主人公と別居中の妻・和美の役。撮影にのぞむとき、事前に相談はあったのかとたずねたところ、「なんにもしてないです」とあっけらかんと話してくれた。

「もうほんとうに、距離のある夫婦をただ演じただけですね(笑)。なにかを思ってた、とかそういうのもないし、ふつうに休憩時間にしゃべってたりとか……」と語る尾野さん。しっかりと、なんともいえないギクシャクした夫婦の感じが伝わってきたが、尾野さんは「うまいこと、編集してくれてる」と謙虚にスタッフへの感謝を言葉にしていた。

『渇水』の作中、岩切は姉妹の自宅への停水執行について悩んだ末、思い切った行動に出て、それが予想外の結果をもたらす。そこで、尾野さんが直面した“人生で最大の危機”について質問すると「あるかな、そんなに危ない橋渡ってないんですよね」と言って尾野さんはうーん、と考えこむ。