「たぶん、まだ保育所に通っているころ……」

「たぶん、まだ保育所に通っているころに3メートルくらいの高さから、顔面から落ちたんですよ。めちゃくちゃ痛いんです。

 目がさめたら、顔がもう血で真っ赤というか、黒い。血が固まっちゃって、どこをケガしてるかわからない、みたいな。それが最大の危機だったと思います。顔が腫れただけで鼻もつぶれないで顔の形も変わらずいられたから、よかったなって思いました。あれがいちばんの、最大の危機だったと思います。

 あれからそういう大きいケガとかしたことないですから。まだ小さかったし、痛みも覚えてないくらいでしたけど、最大の危機です(笑)」と、語ってくれた。

 尾野さんにとっての「THE CHANGE」は、幼少期のケガの経験から、大きなケガもなく成長し、女優として活動している現在へつながった――ということだろう。今後も天衣無縫な芝居でファンを魅了する、尾野さんの活躍から目が離せない。

■尾野真千子(おの・まちこ)
 1981年11月生、奈良県吉野郡西吉野村(現・五條市)出身。97年の映画『萌の朱雀』で女優デビュー、その後も07年の映画『殯の森』や10年のドラマ『mother』(日本テレビ系)などで好評を博す。11年にはNHK連続テレビ小説『カーネーション』でヒロイン・小原糸子役を務め、第72回ザテレビジョンドラマアカデミー賞と国際ドラマフェスティバル in TOKYO 東京ドラマアウォード2012で主演女優賞を受賞。また、第21回橋田賞と第37回エランドール賞の両方で新人賞を受賞した。近年では23年のドラマ『グレースの履歴』、23年の映画『渇水』など、出演多数。

■映画『渇水』
原作:河林 満(『渇水』角川文庫刊) 
監督:高橋正弥 
脚本:及川章太郎 
音楽:向井秀徳 
企画プロデュース:白石和彌
出演:生田斗真、門脇麦、磯村勇斗、山崎七海、柚穂/宮藤官九郎/宮世琉弥、吉澤健、池田成志、篠原篤、柴田理恵、森下能幸、田中要次、大鶴義丹/尾野真千子
配給:KADOKAWA
Ⓒ「渇水」製作委員会 
6月2日(金)より全国公開