「今の時代ならとんでもない」強面ばかりの全寮制で培ったメンタルと、すぐ這い上がる思考

――若い頃に厳しい、大変な経験をしていると、だいたいのことは「あのときのあれを思えば!」と思えるものですよね。

「ただ、僕はすぐに落ち込むんです。その感情も無理をしない。でも、すぐに這い上がるんです。一旦は落ち込むけど、その後は上がる。だって、上がらないと、どうしようもないじゃないですか。そういうふうに思考ができているんですよ」

――それは高校生の寮生活の経験があったからでしょうか?

「たぶん、そうだと思います。この経験があって自分の何かが変わるということは、それ以外には思いつかないかな。逆に言うと、僕にとっては毎日が『CHANGE』なんです。僕は昨日の自分を否定したいから、『僕にとってのCHANGEはいつもです』と言いたいくらい。

 これはよくインタビューでも言っているのですが『今はこう言いますけど、明日になったら変わっているし、真逆のこと言うかも分からないです』と。僕はそれでいいと思っていて、正しいか間違っているかは誰にも分からないし、正しいことだけを言うのが人生とは思っていません。常に自分が変わっていきたいし、自分を否定していきたいんです」

 そう言ってまた次の取材場所へと向かう北村さん。部屋を出る際、もう一度こちらを振り返り「ありがとう。またよろしくお願いしますね」と笑顔で一礼して去っていった。去り際まで紳士的な北村さんに、スタッフ一同、感嘆のため息が漏れた。

北村一輝(きたむら・かずき)
1969年生まれ、大阪府出身。90年から俳優として活動を始め、99年に映画『皆月』『日本黒社会 LEY LINES』でキネマ旬報日本映画新人男優賞などを受賞。その後、多くのドラマ・映画・舞台に出演。近年の主な出演作に、ドラマ『地面師たち』(Netflix)、「御上先生」(TBS系)、『ESCAPE~それは誘拐のはずだった』(日本テレビ系)がある他、2月6日公開の映画『たしかにあった幻』、2月27日公開の映画『木挽町のあだ討ち』26年度前期NHK連続テレビ小説『風、薫る』に出演。

©野田サトル/集英社 ©2026 映画「ゴールデンカムイ」製作委員会
 

■作品情報
ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』全国にて大ヒット公開中
出演:山﨑賢人、山田杏奈、眞栄田郷敦、工藤阿須加、栁俊太郎、塩野瑛久、稲葉友、矢本悠馬、大谷亮平、高橋メアリージュン、桜井ユキ、勝矢、中川大志、北村一輝、國村隼、池内博之、木場勝己、和田聰宏、杉本哲太井浦新、玉木宏、舘ひろし
原作:野田サトル「ゴールデンカムイ」(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
監督:片桐健滋
脚本:黒岩勉