自分の人生が変わったことで感じ方が変わった作品
子どもの時と、大人の時で作品の感じ方が違う――。そこには、“自分に子どもができたこと”が大きく関わっていると、幡野さんは語る。
「子どもができると人生観が大きく変わります。なので、自分の人生を変えてくれる作品よりも、自分の人生が変わったことで感じ方が変わった作品に出会う機会が多くなる」
中でも、スタジオジブリの映画はおすすめだそうだ。
「たとえば、映画『天空の城ラピュタ』は、自分が子どものときに見ると、主人公の少年・パズーとか、子どものキャラに自分を重ねて見ますよね? パズーの冒険にワクワクしたり、パズーがピンチになったらハラハラしたり、そんな楽しみ方をしていました。
でも、親になってから見てみると、パズーを自分の息子と重ねるわけです。そして、自分は、パズーの保護者たちと重ねる。たとえば、空中海賊“ドーラ一家”の女ボスであるドーラとかです。すると、今度は、ドーラの気苦労や、パズーの成長を見守る気持ちとかに共感して、作品を楽しめる。息子は息子で、自分をパズーと重ねて楽しんでいて、親子で盛り上がれるんです。親子でジブリ映画、おすすめです」