親になると、ターミネーターと自分を重ねる

「最近は、ハリウッド映画『ターミネーター2』を見て、泣いちゃいましたね」 

 こう語る幡野さんに、「泣き所ありましたか?」と尋ねると――。

「この作品も同じです。子どものときは、主人公の少年・ジョン・コナーに自分を重ねて、親になると、ジョンを守る存在であるターミネーターと自分を重ねる。

 もちろん、ターミネーターは未来から来たロボットで、ジョンと血がつながった肉親ではありません。でも、作中では、サラ・コナーがターミネーターが理想の父親だっていう描写がありますよね。ターミネーターは酔って暴力を振るわないし、常に子どものことを守ってくれる。親になってみると、そこに非常にグッと来てしまって……。自分の中で、『ターミネーター』の印象が“チェンジ”した瞬間でした」

幡野広志 はたの·ひろし
1983年生まれ。2004年、日本写真芸術専門学校中退。2010年から広告写真家の高崎勉氏に師事し、2011年に独立。2016年に長男が誕生。2017年に多発性骨髄腫を発病し、現在に至る。著書に『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』、『息子が生まれた日から、雨の日が好きになった。』(以上ポプラ社)、『だいたい人間関係で悩まされる』(幻冬舎)、『ラブレター』(ネコノス)などがある。

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