女優・尾野真千子は、河瀬直美監督に見出され、14歳で映画『萌の朱雀』主演を務めた。その後06年のNHK連続テレビ小説『芋たこなんきん』、08年の映画『クライマーズ・ハイ』、09年のドラマ『火の魚』を経て11年に朝ドラ『カーネーション』でヒロインの座を射止めた。その天衣無縫な姿で数多くのドラマファンから支持を得ている尾野さんにとって重要な変化、「THE CHANGE」は何だったのだろうか?
【第4回/全4回】
「女優やってよかったって思う」
尾野真千子さんに今までの人生のなかで、いちばん大きな変化をもたらした経験、「THE CHANGE」について質問すると、開口一番にこう答えてくれた。
尾野さんは97年の映画『萌の朱雀』で初出演にして初主演。河瀨直美監督が、当時14歳の尾野さんが学校で掃除をしている姿に魅力を感じ、同作への出演をオファーしたことがきっかけで女優の道を進んだ。
「あのとき、『萌の朱雀』に出させてもらって、どっちでもありえたんですよね。受験もあったから、“やらない”っていう選択肢もあったなかで、女優をやりたい、人見知りなのにそういうことをやってみたいっていう気持ちになって。
ひと夏、映画に関わって。きっと当時、あそこで関わってなかったら未だに人見知りにだったかもしれない。
今はこうやって、いろんなところの世界を見れるし、感情もそうだし、人見知りだからこそ、女優やってよかったと思います」