「頭にハイビスカス」のギャル時代を経て、大学を中退し演劇の道へ
――それ以前、演劇に出会うまではどんな高校生活を送っていたんですか?
「幼少期まで遡ると、幼稚園の劇で、挙手制だったんですが、主人公のアリスをやりたいともうひとり手を挙げた子とダブルキャストで主役をやりまして。結構、そういうのがやりたかったようです。当時、『アニー』の子役のドキュメンタリーを観て、同じくらいの年の子が演技をしてめちゃくちゃ怒られたり泣いたりして必死で演技しているのって、すごい青春! って感じでいいなあって。私もお風呂場でひとり、泣く演技をしようと思って泣く練習をしたこともあります(笑)」
――子役をやりたいと親御さんに話したことは?
「すごく引っ込み思案でそういうことが言えない子どもでしたし、父親は塾講師で母親は専業主婦で、特に父親は厳しくて、“こういうことは一握りの人がやることだから”と言われていて。ずっとその思いはひた隠しにしていました。だから、高校生のときは何をやればいいのかわからなくなっちゃって。部活にも入らず、時代的にギャルが流行っていたので、普通にわりとギャルでした」
ーー内田さんがギャル!
「頭にハイビスカスつけてました(笑)」
ーーme Jane(※ギャルファッションのブランド)のショッパーを持って?
「まさにそれです! そういう格好で、地元の長津田の駅前でおしゃべりしたりしていました(笑)。このときは何も目的がなかった分、あとあと反動が出ることになったのかもしれないですね」
進路、というよりも歩むべき未来が定まった内田さんは日本大学芸術学部の演劇学科を受けたが「学科で落ちてしまい」文芸学科に入学した。
「それで演劇学科の授業に潜っていたんです。あとは有名な早稲田大学の演劇サークルに顔を出したりしましたが、遠いし、私が思っていた感じとはちょっとちがって。“学生演劇から入るより、もう現場に行っちゃったほうが早いんじゃないか”と思うようになりました。同時に、経済的な理由で4年間大学に通えない可能性もあり、親に迷惑をかけるくらいならもう現場に行っちゃおう! と思って。それで受けたオーディションで受かり、1年生の前期で大学を辞めちゃったんです」
演劇一色となった内田さんの心身が、妥協知らずな道へと自身を突き動かしたのだった。
つづく
うちだ・ちか
1983年3月12日、神奈川県出身。日本大学芸術学部文芸学科中退後、演劇活動を開始。さまざまな演出家のもとキャリアを積み、2008年に橋口亮輔監督「ぐるりのこと。」で映画デビュー。近年は毎クール連続ドラマに出演中。近年の主な出演作に舞台『ふくすけ2024ー歌舞伎町目次録ー』(2024年)、『おどる夫婦』(2025年)、映画『ナイトフラワー』(2025年)、『災 劇場版』(2026年)、ドラマ『君が死刑になる前に』(2026年、日本テレビ系)、『田鎖ブラザーズ』(同、TBS系)、『お別れホスピタル2』(同、NHK)、『風、薫る』(同)がある。