キュートなルックスと愛くるしい話し方で日本を席巻したビビアン・スー。1996年から出演した『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』発の音楽ユニット・ブラックビスケッツはヒット曲を連発し、NHK紅白にも出演。03年からは台湾に拠点を戻し、日本のファンの前から姿を消した。現在はアジア全域で活躍するマルチタレント、そして母親として多忙な日々を過ごすビビアンさんの「THE CHANGE」とはなんだったのかーー。【第1回/全5回】

ビビアン・スー 撮影/片岡壮太

 驚くほど変わらない。8月、都内で行われたイベントでのビビアンさんの姿は、見る人に同じ感想を抱かせたはずだ。大きい瞳にチャーミングな笑顔、スラリと伸びた足。スタイルの美しさ、たまに出る独特な日本語の言い回し、マイペースなテンポながら誰もが笑顔になってしまうその振る舞い。どれも、日本のテレビで大活躍していた頃と変わらないように映る。

 ビビアンさんは母国の台湾で、15歳の時に芸能界デビュー。瞬く間に人気者となり、アイドル、女優として活躍した。19歳で来日したビビアンさんだが、彼女にとって一番の転機になった「THE CHANGE」とはなんだったのだろうか。

「ブラックビスケッツと『ウリナリ』ですね。本当に感謝しています。あれをきっかけに皆さんがビビアン・スーのことを知ってくれたので」

 当時テレビやCMで見ない日はなかった彼女を一躍有名にしたのは、1996年から「レギュラー出演していたバラエティ番組『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』だ。この番組で彼女はお笑いコンビ・ウッチャンナンチャンの南原清隆さん、同じくお笑いコンビ・キャイ~ン天野ひろゆきさんと3人で音楽ユニット・ブラックビスケッツを結成し、CDをリリース。シングル『Timing』は200万枚以上を売り上げる大ヒット曲となった。