ときは平成、1990年代後半。クラスの男子の大半が夢中になり、女子がなりたくて憧れた存在、鈴木亜美さん。普通の女子高生だった彼女が、オーディション番組『ASAYAN』(テレビ東京系)を経て、文字通り一夜にして国民的歌手にCHANGEしたことは、多くの人の記憶に刻まれている。25周年となる今年は、記念ライブを開催し、新曲をリリースするなど精力的に活動中。テレビに映る姿からは知り得なかった、鈴木亜美さんのTHE CHANGEとはーー。【第1回/全5回】

鈴木亜美 撮影/冨田望

「昔、『砂時計』ってドラマやってましたよね」

 こう言って砂時計を西日にかざし、キラキラとした光の反射を楽しむように眺めながら、鈴木亜美さんは笑顔になった。日本中の熱狂を呼んだ魅力は、まったく変わっていないように思えた。

ーーデビューは1998年7月1日で、ちょうど25年前になりますね。

鈴木「そうですね。地元でずっと陸上しかしていないような、東京とは無縁な女の子が、まさかそんなことになるなんて、という感じでした。学校ではちょっと目立つグループにはいたけど、みんながメイクをして放課後遊んでいるときに、私だけジャージに着替えて陸上やって、顔を日焼けで真っ赤にして自転車を飛ばして帰る、みたいな生活でした」

 鈴木さんが参加したのは、「夢のオーディションバラエティー。」を謳う『ASAYAN』(テレビ東京系)での「ヴォーカリストオーディションファイナル」。

 放課後までに履歴書を書き上げ、親に内緒で電車に飛び乗り、友達と都内のオーディション会場へ向かったという。

鈴木「写真は、教室で友達に撮ってもらってすぐに現像に出したんです。制服姿で椅子の上に立って、イエーイ! ってやっている写真を、私の体に沿って切って、履歴書に貼りました」