厳しい母親の優しさ
見る者誰もがハッピーになる、あみ~ゴスマイルの背景にそんな戦慄があったとは、当時の視聴者は知るよしもなく、最終電話投票で彼女を1位に押し上げた。小室哲哉プロデュースでの歌手デビューが決定した瞬間だった。
ーーそんなに厳しいお母さんでしたら、芸能界デビューも一筋縄ではいかなかったのでは?
鈴木「反対されるかなと思いました。でも、最終まで残った段階で言われたんです。“約束ね。今後、絶対に部活はサボらないこと。なにかあったら絶対に連絡をすること。そして、もし最終で落ちてもいちいちヘコむなよ!”って。『ASAYAN』は人気番組だし、私が調子に乗る前に釘を刺しておこうと思ったんでしょうね」
ーーとてもいいお母さんですね! 最終で受かったときはどんな反応でしたか?
鈴木「やっぱり冷静でした。“おめでとう。でも、ここからが大変だよ。ちゃんと学校にも行きなさいよ。卒業までしっかり行かないと、芸能界を辞めさせるからね”って。事務所の人にも“学校は絶対に休ませないこと”と約束をしていました」
東京と無縁だった陸上少女が、国民的歌手にCHANGEした舞台裏には、娘を守り抜く覚悟を決めた母親がいたのだ。
■鈴木亜美(すずき・あみ)
1982年2月9日生まれ、神奈川県出身。1998年2月、オーディション番組『ASAYAN』(テレビ東京系)の『ボーカリストオーディション・ファイナル』で1位となり小室哲哉プロデュースで歌手デビュー。シングル『white key』や『BE TOGETHER』、アルバム『SA』や『infinity eighteen vol.1』などで大ヒットを記録し、ヒットチャート常連歌手としてメディアを席巻。現在は3児の母としてSNSで飾らない育児を発信中。バラエティ番組では激辛女王として再ブレイクし、25周年の今年は新曲『I just feel good(Prod.TeddyLoid)』をリリース。