ときは平成、1990年代後半。クラスの男子の大半が夢中になり、女子がなりたくて憧れた存在、鈴木亜美さん。普通の女子高生だった彼女が、オーディション番組『ASAYAN』(テレビ東京系)を経て、文字通り一夜にして国民的歌手にCHANGEしたことは、多くの人の記憶に刻まれている。25周年となる今年は、記念ライブを開催し、新曲をリリースするなど精力的に活動中。テレビに映る姿からは知り得なかった、鈴木亜美さんのTHE CHANGEとはーー。【第3回/全5回】

鈴木亜美 撮影/冨田望

 年間のCD総売上が4億5717万枚という驚異の数字が示すように、CDバブル絶頂期の1998年。この年は、”奇跡の年”とも呼ばれている。鈴木亜美さんが7月に『love the island』でデビューしたほか、時代を彩りいまも活躍する歌姫たちのデビューが、ずらりと並ぶのだ。

2月 MISIA『つつみ込むように…』

4月 浜崎あゆみ『poker face』

5月 椎名林檎『幸福論』

7月 aiko『あした』

12月 宇多田ヒカル『Automatic/time will tell』

 そうそうたるメンバーのなかで、鈴木さんは「周りを見る余裕はまったくなかった」と話す。

鈴木「毎日、与えられたものをやることで必死でしたし、そんな世界にいることに対して嬉しくて、ふわふわしていました。憧れの人たちがいる! みたいな」

ーー感覚は、普通の女子高生のような。

鈴木「そう、女子高生そのものでした。“キャー! 後ろの席にアムロちゃんいる! 本物だよ! ヤバイヤバイ!”みたいな」