いまでもマニアックなことが大好き

――見たことがないものが好きなんですね。

「“この手があったか!”と感動するんですよ」

――悔しさはないですか?

「年齢的に悔しさはありません。同じ年代だったら“やられた!”と思うかもしれないけど、ぱーてぃーちゃんとは40歳離れていますから。ハリウッドザコシショウの誇張モノマネも“見事だな”と思いました。

 ロボ五木ひろしとかコロッケさんのディフォルメもすごいけど、ザコシショウは上回っているんじゃないですか? 誇張することで笑わせるテクニックは昔からあるけど、ザコシショウは逸脱しちゃってる。でも、笑えるんだよなぁ。そういうネタに出会うとうれしくなるんです」

――関根さんのペリーのモノマネは誇張どころじゃないと思います。

「ペリーなんて似てるか似てないかわからないというか、たぶん似てないんだから、僕も逸脱してますね(笑)。まぁ、やったもん勝ちですよ」

――若いとき、理解されにくい芸をやることに不安はありませんでしたか?

「若いときは妙な自信があって。“ウケる人にはウケるんだ”とトガッていたんです」

――いまでもマニアックなことは好きなわけですよね。

「好きですねぇ。『サンデーモーニング』(TBS系)でゴルフのコーナーに出てくるタケ小山さんのモノマネが3日前に完成したんですけど、知ってる人がいないから披露する場がなくて。昨日、仕事で会った東ブクロ君に見せたら“似ているけど、わからないだろうなぁ”と言ってましたよ」

――ランジャタイやぱーてぃーちゃんから、三木のり平さんや三波伸介さんまで、YouTubeチャンネルで取り上げる芸人の幅が広いですよね。「東京のお笑い」を伝えようという使命感があるんですか?

「スタッフに聞かれたからしゃべっているだけで、使命感はまったくないんです。ただ、結果的に“語り部”になっているのかもしれません」

――「東京のお笑い」の歴史は連綿と続いているわけじゃないので、「語り部」は貴重な存在だと思います。

「確かに、ずっと続いている小屋があるわけじゃないから、ところどころで断絶しているんですよね。連綿と続いているのは漫才協会くらいなのかな」

 いくつになっても新しい世代のお笑いに素直に感動し、2022年から始めたYouTubeも順調にチャンネル登録者数を増やしている。「70歳の若手」を宣言する関根勤の挑戦は続く。

関根勤(せきね・つとむ)
1953年8月21日生まれ、東京都出身。『ぎんざNOW』の「素人コメディアン道場」で初代チャンピオンとなり、芸能界入り。1989年からカンコンキンシアターの座長を務める。2022年5月、YouTube公式チャンネル「関根勤チャンネル」を開設。関根勤チャンネル トークライブ2023「ある意味怖い 絶対配信できないここだけの話」が10月7日、8日に銀座・博品館劇場で開催される。