ここまで劇的に変化した芸人は、かつていなかったのではないだろうか。マシンガンズ滝沢秀一の人生は、芸歴16年以上の漫才師を対象としたトーナメントで一変。以来、多忙な日々が続いている。チャンスをつかみかけて逃し、新たな道を探り、そして芸歴25年目で大ブレイクした滝沢さんの「THE CHANGE」とはーー?【第1回/全3回】

マシンガンズ滝沢秀一 撮影/貴田茂和

 Wツッコミで『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)や『エンタの神様』(日本テレビ系)に出演していたマシンガンズ。しかし、大ブレイクにまではいたらずやがて失速。滝沢秀一さんは、2012年に妻子を養うためゴミ収集会社に就職した。その後、滝沢さんはゴミ問題を題材にした著書を次々出版し、発行部数は累計15万部超え。小池百合子東京都知事や小泉進次郎元環境大臣と対談するにまでなった。

 相方の西堀亮さんも自身が発明した日用品の商品化が決まるなど、芸人以外にそれぞれの道を模索しているなか、結成16年以上の漫才師が参加する賞レース『THE SECOND』(フジテレビ系)が開催された。マシンガンズは下馬評を覆して、最終決戦まで進出。「3本目のネタがない」と嘆きながらも笑いを起こしたが、ギャロップに敗れて準優勝という結果に終わった。

 それでも、『THE SECOND』で最も輝いたのはマシンガンズだというのは誰もが認めるところだろう。芸人としての仕事も大きく増え、この取材も、ラジオに生出演した後に駆けつけてくれた。私服からスーツに着替えると、そこにはSNSでバズったセクシーなおじさん芸人がいた。

――滝沢さんの人生は、ドラマチックですね。まさに一夜にして大きな変化があったと思います。

「5月19日まで、なにもなかった。20日が『THE SECOND』の決勝だったんですけど、それまで何もなかったのに、20日を境にガラリと変わりました。46歳で、いきなりある日“イケメン”と言われ出して(笑)」

――滝沢さんにとっての「THE CHANGE」は、やはり『THE SECOND』での準優勝ということですよね。

「本当に『THE SECOND』はひとつ大きいことなんですけど、向こうからやってきたもんなんですよね。出ようと思っていなかったんですから。マネージャーが応募したんです。西堀が副鼻腔炎で手術することになっていたから、“来年にしようか”って言ってたんです。でも。予選がその前日だったので“じゃあ、出るか”と」