「いちばんタチが悪いですよね。器用貧乏というか」
山本「大学生みたいなもんでしたから。見様見真似でお笑いごっこやってる感じで、“売れてやるぞ”って熱い気持ちはなかった。もちろん舞台に立ってる以上ウケたいとは思ってましたけど、ネタ合わせもしてなかったですね。“ネタつくろうか”って関と集まっても、ゲームして遊んでメシ食って終わる日が全然ありました(笑)」
関「『オンバト』収録前日に一夜漬けでつくって、当日覚えてそのままやることもよくありました。ライブで何度かネタをかけて直して……なんてやってなかったね」
山本「後々気づいたんですけど、二人ともけっこうサボるタイプなんですよね。どっちかが“まぁいいか”ってなるともう片方も“そうだよな”ってなる」
関「それで落ちたら反省してちゃんとしたかもしれないですけど、なまじ通っちゃうから。“これでいけるならいいか”ってなっちゃってました」
山本「いちばんタチが悪いですよね。器用貧乏というか」
若手芸人の主戦場であるライブシーンにおいて、器用貧乏タイプの芸人が圧倒的な支持を集めることがあまりないのは今も昔も変わらない。センスあるボケ、とがった芸風、あるいは”魂”を感じさせる熱さ、そういった要素を持つ芸人が客からも芸人仲間からもカリスマ視されるのが常だ。それは、いわゆるお笑いファンだけが集まっていたわけではない『オンバト』の空気感とはまったく異なるだろう。タイムマシーン3号はライブシーンではどんな手応えを感じていたのか。