けっこう特殊な芸能生活だと思います

山本「『オンバト』に関して、自分たちで後々“わかりやすい笑いをやっていた”“お客さんに媚びていた”みたいな話をバラエティとかでけっこう言ってたんです。そういう立ち回りをしてしまったことを、『オンバト』に出ていた先輩たちに対して申し訳なく思っていたんですよ。先輩たちは『オンバト』でも自分たちの笑いを貫いて切り拓いていたから、劣等感もありました。

 でも2年くらい前に『ジンギス談!』(北海道放送)に出させてもらったとき、タカトシさんから“俺たちも、自分たちが面白いと思ってなくてもウケると思ったらやってたよ”って言われたんです。タカトシさんもそうだったんだ! って衝撃で、あれは一個の転機といえば転機ですね」

 今やテレビにラジオにYouTubeに、日々忙しく過ごしている。ただ、遅咲きのブレイクという言葉も彼らにはあまり似合わない。なぜなら、ずっと“いた”からだ。

山本「けっこう特殊な芸能生活だと思います。ずっと売れてもないし、でも人からすれば見ないこともないだろうし、くさされるし褒められるし。不思議な芸人ですよね。いちばん平均的なつもりだったんですけど、実は変だなって」

関「そう、最近気が付きました。あんまり似たタイプがいないんですよ」

「わかりやすい」という言葉と付き合い続けてきたはずが、気付けばロールモデルから逸脱した芸人人生になっていた。だからこそ、二人は常に“い続けて”いるのだろう。

■プロフィール
タイムマシーン3号
山本浩司(やまもと・こうじ)1979年6月22日生まれ。新潟県出身。
関太(せき・ふとし)1979年8月5日生まれ。群馬県吾妻郡六合村出身。
東京アナウンス学院の同級生同士で2000年に結成。2003年より『爆笑オンエアバトル』に出演し、常連として成績を残す。『M-1グランプリ』2005年、2015年ファイナリスト。『キングオブコント』2016年ファイナリスト。現在のレギュラー番組は『有吉の壁』(日本テレビ)、『藤田ニコルのあしたはにちようび』(TBSラジオ)、『真誠presents タイムマシーン3号のそろそろ売れてもいいんじゃない?』(CBCラジオ)ほか。