今年、芸能生活40周年を迎える安達祐実。国民的天才子役時代を経て、再ブレイク中の現在、さらなる新境地を迎えるなど、その才能はとどまるところを知らない。重厚すぎる40年間のなかで、安達さんが感じたTHE CHANGEとはーー。【第1回/全5回】

安達祐実 撮影/三浦龍司

 デザイン性に富んだ深いグリーンのワンピースを、こともなげに着こなす姿は、さすがファッションアイコン。記者が挨拶もそこそこに「ステキ……」と感嘆を漏らすと、「いやいや。今日は取材の日だから、ステキな服を用意してくれたんです」と謙虚さをのぞかせるのは、今年、芸能生活40周年を迎えた安達祐実さん。

 写真集『YUMI ADACHI 40/42』の発売のほか、10月13日より出演映画『春画先生』の公開が控えるなど、変わらず多忙な日々を送る。

ーー特に、『家なき子』(1994年・日本テレビ系)出演以降は多忙だったかと思います。国民的ドラマでしたもんね。

「そうですね。気づいたら2歳からこの仕事をやっていて、仕事という意識はなかったんですけど、13歳で『家なき子』をやって初めて、“私のやっている仕事は、いろんな人の人生に影響を与えている”と実感したんです。

 その人の人生を良くすることもできるし、もしかしたら悪くしてしまう可能性もあるな、というのを感じて。きちんと責任感を持ってやらなきゃいけない、と。そういう変化がすごくありましたね」

ーー13歳で。それは、誰かに言われたわけでもなく、ご自身で気づいた。

「はい。反響がすごく大きかったので、観てくださる視聴者の方にとってもきっとそうだし、一緒に作品を作っていたスタッフの方や共演者の方々が、日々ちょっとずつ変わっていくさまというのを、なんとなく肌で感じて見ていました。人の人生って、こんなふうに変わっていくんだな、と。それで、責任感が芽生えましたね」

 同世代の女の子たちが、放課後、慣れない厚底シューズを見せびらかすように履いて、卒業した小学校の校庭にだべりに来ては無為にすごしていた頃、安達さんは大ヒットドラマの主演として、想像を絶する環境に適応しようとしていた。

「外に出るとすぐに声をかけていただいて。それはすごくうれしいことのはずなのに、なかなか自由に歩けない、みたいなことがあったり」

ーーほぼ全国民が観ていたと言っても過言ではないですもんね。

「ね、大変なことですよね」