5歳の時に経験した母との驚きのエピソード

 安達さんと有里さんのエピソードを振り返るうえで、欠かせない出来事がある。それは、安達さんがゲスト出演した2021年8月4日放送『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ)で披露した、こんな話。

 5歳のとき、番組のAD男性に初恋をしたという安達さん。淡い恋心を秘めていた矢先、有里さんが彼を自宅に招き、こう言ったのだ、「今日からこの人がお父さんよ」。

 安達さんは「かっこいいお兄さんがずっと家にいてくれるのがうれしくて、ショックとかはなかった」と話していたが、あらためて聞いてみたいのだ。

ーー母親が恋をする姿を見てショックを受けてしまう子どももいるかと思いますが、一方で母親だって人間ですから恋はします。安達さんご自身は、どう感じていましたか?

「そうですね、私が子どもの頃は、“母は母”と思っていました。別の人間だし、母には母の人生があるんだから、好きなように生きていったらいいんじゃないのかな、と思っていたので、そこに抵抗はまったくありませんでした。

 そして私も子どもがいる状態で再婚しているので、“自分の恋愛は、子どもの理解がないといけない”とすごく思っていましたが、自然な感じで仲良くしてくれそうだな、という気がしたんです」

ーーふたりのフィーリングを感じとったんですね。

「そうですね。だから、再婚してもいいししなくてもいいし、というフラットな気持ちで、子どもとの関係はどうかなというのをもっとも尊重していました」

 仕事も、親子関係も、そして私生活も。そのつど柔軟にCHANGEするたおやかさが、安達さんの美しさの根源にあるのだ。

■安達祐実(あだち・ゆみ)
1981年9月14日生まれ、東京都出身。デビューは2歳のとき、子育て雑誌のモデルで。1991年にテレビCM「ハウス食品 工房」への出演で知名度が急上昇し、1993年に『REX 恐竜物語』で映画デビューし、子役として『家なき子』(94年、日本テレビ系)や『ガラスの仮面』(97年、テレビ朝日系)などの代表作で国民的女優に。その後、『大奥』(03年、フジテレビ系)や『娼婦と淑女』(10年、フジテレビ系)での演技が話題となり、2013年の写真集『私生活』と、翌年年公開映画『花宵道中』でこれまでのイメージを完全に払拭。近年はファッションアイコンとしても再ブレイク中。2人の子どもを持つ母親としての顔も。10月13日より出演映画『春画先生』が公開。