貫地谷しほりの映画デビューは２００２年、１６歳のときだった。０７年にはＮＨＫ朝ドラ『ちりとてちん』のヒロインを演じ、国民的女優に。その後も数多くの作品に出演し、演技者としてキャリアを重ねてきた。６月３０日公開の映画『オレンジ・ランプ』では、若年性認知症と診断された夫を支える妻を演じる。
貫地谷さんの「ＴＨＥ ＣＨＡＮＧＥ」、重要な変化とはなんだったのか。それを経て、彼女はどう変わったのかーー。【第４回／全４回】
貫地谷さんは２０２３年に放送されたＮＨＫドラマ『大奥』の徳川吉宗編に加納久通として出演し、時代劇特有の所作の美しさなどが絶賛された。映画『オレンジ・ランプ』では現代を舞台に主婦である真央を演じている貫地谷さんに「時代劇と現代劇の違い」を尋ねると「正直、あまり違いがなくてですね……」と、はにかみながら話してくれた。
意外にも思える言葉だが、貫地谷さんの真意は「視聴者の気持ち」に向いていた。
「純愛って、現代では表現するのがすごく難しくなっていると言われているんです。でも、そういう純愛ものが時代劇だとすんなり受け入れられる。基本的に見てくださっている方々にとって、時代劇のほうが純愛が受け入れやすいという部分があると思います。
方言が入ると“そういう地方のお話なんだな”っていうのがすんなり受け入れられたりとか。そういう方言の力だったり、衣装の力だったり、そういうのはあるなってすごく思います」
