「こんなにたくさんの方が見てるんだな」と実感

 貫地谷さんといえば、朝ドラファンから圧倒的支持を得ている名作『ちりとてちん』でヒロイン・和田喜代美を演じた。上方落語の世界を舞台にした同作で、貫地谷さんはヒロインとしての演技と、噺家として席を披露する姿を演じるなど圧倒的な存在感を見せた。

 初主演となった『ちりとてちん』以降の周囲からの反響について、貫地谷さんは「その都度あります。やっぱり嫌なやつをやるとすごい反応があります。“こんなにたくさんの方が見てるんだな”っていう実感はありました」と語る。

 さまざまな役を演じてきた貫地谷さんだが、シリアス、コメディなど作品のジャンルごとの違いについては「あんまり考えてないです」と率直に話す。

「わりと切り替えが上手なほうみたいで、脚本を読んでカットかかったらおしまい、みたいな感じで。引きずったりもあんまりしない。もう周りの人に乗せられてどこまでいけるか、といったところですね」

 女優として自在に作品に対応する貫地谷さんは、これからもファンを増やしつづけていくことだろう。

■貫地谷しほり(かんじや・しほり)
1985年12月12日生。東京都出身。02年『修羅の群れ』で映画デビュー、その後07年のNHK連続テレビ小説『ちりとてちん』でヒロインを務め、好評を博す。13年主演映画『くちづけ』(監督:堤幸彦)15年『女くどき飯』(TBS系)、23年NHK『大奥』「8代・徳川吉宗×水野祐之進編」など、その出演作は多岐にわたる。23年には第17回声優アワード外国映画・ドラマ賞を受賞するなど、声優・ナレーターとしても活躍している。

■映画『オレンジ・ランプ』
6月30日より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー
配給:ギャガ
監督:三原光尋
主演:貫地谷しほり  和田正人 
出演:伊嵜充則 山田雅人 赤間麻里子 赤井英和 / 中尾ミエ
 39歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断されたカーディーラーのトップ営業マン・只野晃一は、妻・真央と娘2人と暮らしていた。会議を忘れたり、自宅への帰り道を忘れたりしてしまい戸惑う晃一のサポートを真央はなんでも先回りしてやろうとするが、ある出会いをきっかけに2人の意識は大きく変化。「人生を諦めなくていい」と気づいていく、夫婦の希望と再生の物語。
©2022「オレンジ・ランプ」製作委員会