女王様みたいな感じのふたりのシスターフッドもの

新井「そうそう。女王様みたいな感じのふたりが、なにかの流れでひどい目に遭って、昔のヤクザ映画みたいに“テメェら、許さねえ!”と言ってSMの道具やなにかを使いながらバッタバッタと倒しまくるっていう、シスターフッドもの? みたいな」

ーー当初から、女性が主人公、という設定があったのですね。

新井「そうですね。清水さんに、『マッドマックス 怒りのデスロード』の世界のような、M男さんたちが騎馬戦の状態になって、女王様たちが戦うみたいな1枚絵でプレゼンして。

 それで1年後に清水さんから“あの話、どうしましょう”と声をかけてもらったとき、ゆみこさんと改めて話して、“なんか、元気のいい話が描きたいね”って。それで、どうせなら、ベタに性格のまるで違う若い女の子ふたりが主人公で、“性格が違うから、ここがキライだから、仲良くできない”というようなことを前提で、物語を進めたいなと」

 新井さんといえば、『ザ・ワールド・イズ・マイン』や『キーチ!!』など、社会の暗部を容赦なくえぐりながら激情をほとばしらせる作風が象徴的だ。が、描きたいものが変化したという。