今までわかった気になっていって、素通りしてしまったものがあったかな
真木「他人を100%わかることは無理だから、すべてをわかろうとは思わないけど、もしかしたら、今までわかった気になっていって、素通りしてしまったものがあったかなって。
この人はこういう人だなって簡単に決めつけたことがあったけど、もしかしたら全然違う人だったかもしれないし。第一印象で苦手だなって感じた人が、実は、ものすごく気が合う人だったってこともあったし。
『アンダーカレント』で、かなえちゃんを演じてみて、そういった過去の体験がどんどん掘り起こされてきて。本当に、人をわかるってなんだろうなって」
映画では、真木さん演じるかなえが、リリー・フランキーさん演じる探偵・山崎に、「人をわかるってどういうことですか?」と問われるシーンがある。最後に、真木さん自身へ、同じ質問を投げかけてみた。
真木「よくわからないけど、その人のことをわかろうとする姿勢が大事な気がします。人によって価値観や考えは色々だけど、じゃあなぜ、その人はその考えに至ったのか。そこに寄り添おうとするのが愛情だし、それが一番大切なんじゃないかな、って」
「人に演じられるよりは」と、思い入れのある作品を演じた真木さん。そこで得られたものは大きかったのかもしれない。
■真木よう子 まき・ようこ
1982年生まれ。2006年に、映画『ゆれる』で「山路ふみ子映画賞新人女優賞」を受賞し、2007年放送のドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』(フジテレビ系)への出演を機にブレイク。2013年度の日本アカデミー賞では、映画『さよなら渓谷』で最優秀主演女優賞、映画『そして父になる』で最優秀助演女優賞のダブル受賞を果たす。近年の出演作は、『ある男』『映画ネメシス 黄金螺旋の謎』など。10月6日には5年ぶりに主演を務める映画『アンダーカレント』が公開。
■作品情報
『アンダーカレント』10月6日(金) 全国公開
■出演:真木よう子、井浦新、リリー・フランキー、永山瑛太、江口のりこ、中村久美、康すおん、内田理央
■監督:今泉力哉『愛がなんだ』『ちひろさん』
■音楽:細野晴臣『万引き家族』『メゾン・ド・ヒミコ』
■脚本:澤井香織『愛がなんだ』『ちひろさん』、今泉力哉
■原作:豊田徹也『アンダーカレント』(講談社「アフタヌーンKC」刊)
■製作幹事:ジョーカーフィルムズ、朝日新聞社
■企画・製作プロダクション:ジョーカーフィルムズ
■配給:KADOKAWA
■コピーライト:(c)豊田徹也/講談社 (c)2023「アンダーカレント」製作委員会