“1分に1つは笑いを入れよう”
三宅「僕がずっと観てきたのは、お茶の間に一台のテレビがあって、おじいちゃんから幼稚園の孫までが一度に笑う、大衆的な笑いです。それを極めた人たちの笑いをずっと見てきて、すごいな、と思っていたんです。
いまはひとり1台画面を持てて、それぞれが笑いを選べる時代ですが、僕は、みんなが一斉に笑う“お笑い”をやらなきゃいけないんだなと思っていて。それを観たいと思ってくれる人に、舞台を観に来てほしいですね」
ーー「ギャグチェック表」を作っていると聞きました。笑いどころを表にして、お客さんにウケたところ・そうでないところをチェックして直していくと。
三宅「昔、劇団を作った頃に“1分に1つは笑いを入れよう”ということで、ウケた・ウケなかったの原因が何かを考えるために作ったリストですね。そうすると、お客さんが笑わない理由が浮かび上がるんですよ。“ここは、ちゃんと前フリが効いていなかったからお客さんが意味わからなかったんだ。フリに間違いがあるから、直そう”とか。“ここは間に問題がありそうだな”とか。全部チェックしていました」
ーーすごくロジカルなんですね。
三宅「今はあまりやっていないです。リストを作らなくても、自分の感覚で“ここはこうやって”と言えば、だいたい合っている、というところまでいけるようになりました。役者には相当説明しますし、それでもウケない時はそのギャグ自体を変えることもあります」
ーーたしかに、“間”などは感覚でしかわからなそうです。
三宅「それはお客さんの前に出て、ドーンと笑ってくれた感覚を、体で覚えるしかない、ということですね」