現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説ブギウギ』で、ヒロインの最愛の人・村山愛助役を演じる水上恒司。2018年、ドラマ『中学聖日記』でデビューすると、『MIU404』NHK大河『青天を衝け』などの話題作に多数出演。22年には「水上恒司」に改名し、自身初となる個展を開催するなど活躍の場を広げている。そんな唯一無二の存在感を放つ水上さんが語る「THE CHANGE」とは――。【第1回/全5回】

水上恒司 撮影/三浦龍司

「すみません、追い出すような形になってしまって……」
 取材者が到着したとき、水上さんは直前に取材をしていた別媒体の記者にそう声をかけながら、丁寧に見送っていた。テレビ越しに感じていた実直で誠実なイメージ通りの青年だ。「お待たせしました。水上恒司です。よろしくお願いします」今度は取材者のほうに爽やかなまなざしを向け、取材が始まった。 

 水上恒司に改名して早1年。ドラマ『真夏のシンデレラ』の早川宗佑役は記憶に新しいが、新たな姿で駆け抜けた1年をどう振り返るのだろうか。 

水上「見切り発車感はありましたが、何の保障もない中で謎に自信だけはあって活動した1年でした。予想通りだなって部分と、予想以上の仕事に巡り合えたと思う部分があって……。岡田健史時代に積み上げてきたことが今にも繋がっていて、僕を支えてくれる仲間をはじめ、多くの人に恵まれたと実感しています」 

 彼は改名後、芸能事務所所属ではなく業務提携という形で活動している。フリーランスという難しさもある一方、仕事を引き受けるうえで意識にも変化があったという。