外に敵が多いほど、中の結束は強まる

 こうした報道を、君島さんはどんな心境でチェックしていたのか。君島さんは「事実と違うことを言われるとき、自分たちは“違う”とわかる。でも、自分の家族や友達は、その情報で傷つくんです」と、大切な人たちをおもんぱかっていた。

君島十和子 撮影/三浦龍司

君島「私たちを信頼してくれた人たちが傷つくのが、辛かったんです」

ーーそんななかで、どのように生きる気力を保っていたのでしょう。

君島「当時は主人と主人の母、私で同居していまして。3人一丸となったおかげで、義母との距離も縮まりました。まだ女優さんのお仕事が残っていて、明治座に通っていた私のために、義母がお弁当を作ってくれたくらいなんです。やっぱり、3人で団結するしかないよね、と、外に敵が多いほど、中の結束は強まるといいますしね。家庭は、台風の目のようで実は安らかでした」

 現在も円満な家庭が続く君島家。24時間一緒にいるという誉幸さんとの関係は、このとき、単なる結婚相手から、戦友のような存在に変化したのかもしれない。

君島十和子(きみじま・とわこ)
1966年5月30日生まれ、東京都出身。雑誌の専属モデルや女優として活躍後、君島誉幸さんとの結婚を機に芸能界を引退。マスコミに追われる日々を経て、1998年に『25ans』で結婚後初めて美容の記事が大反響。2001年に、現在クリエイティブディレクターを務める株式会社FTCの前身であるセレクトショップ「フェリーチェ青山」をオープン。美容の世界に舵を切り、多くの美容アイテムをヒットに導く。近年ではバラエティ番組にも出演し、公式YouTube『君島十和子チャンネル』やSNSでも精力的に発信中。2人の娘がおり、長女は元宝塚歌劇団月組娘役の君島憂樹さん。今年4月、9冊目となる著書『アラ還十和子』(講談社)を刊行。