90年代から“美のカリスマ”として君臨する君島十和子。モデルからはじまり、美容家のパイオニアとして活動してきた彼女が今年5月30日で57歳を迎え、“アラ還”の冠がつくことには驚くばかりだ。さまざまな波乱に向き合ってきた君島さんの人生におけるTHE CHANGEとはーー。【第1回/全5回】 

君島十和子 撮影/三浦龍司

 取材場所である表参道駅近くのビル。エレベータが目的の階に到着して扉が開くと、思わず取材チームは固まってしまった。

 そこに、あまりに美しく透明感あふれる女性が立っていたから。

 ちょうど、これから取材するお相手の君島十和子さんが、われわれの乗ってきたエレベーターに乗ろうとしていたのだった。

「のちほど、よろしくお願いしますね」

 ていねいでゆったりとした口調の君島さんが、入れ違いでエレベーターに乗り込む姿を、取材陣はぼうっと見送ることしかできなかった。

 一瞬の出会いで、その場の空気を持っていってしまった君島さんは、モデル、女優、そして美のカリスマと、さまざまな顔を持つ。

 なかでも、夫の君島誉幸さんが代表を務める株式会社FTCでは、多くのプロデュース化粧品をヒット商品に導くなど、敏腕実業家としても活躍している。

 今年4月に上梓したライフスタイル本『アラ還十和子』に「職場も一緒、家でも一緒。会社への行き帰りや会食も一緒なので、ほぼ24時間一緒にいます」とつづっている夫の誉幸さんとの出会いは、28年前にさかのぼる。

ーー誉幸さんの父は、日本を代表するファッションデザイナーの君島一郎さんですよね。その君島一郎ブティックのファッションショーに十和子さんが出演した際、偶然、十和子さんの移動車の運転を誉幸さんがすることになり、車内でふたりきりになったことがなれそめ、とご自身のYouTubeチャンネルで話していましたよね。