185センチの大きな身体。『るろうに剣心』シリーズの相楽左之助をはじめとして、いわゆる男くさいキャラクターがよく似合う青木崇高。もともとは強く俳優を志望していたわけではなかった青木さんだが、いまは「エンターテイメント」と、俳優の可能性を強く信じていることが伝わってくる。そのTHE CHANGEとはーー。【第1回/全4回】

青木崇高 撮影/冨田望

 上下柄のスーツに雪駄。あまりにも飛びぬけてお洒落ないでたちで、青木崇高さんは颯爽と取材場所に現れた。「かっこいいですね!」と自然と声が出てしまったこちらに、服よりもお気に入りの雪駄を見せながら「日本男児ですから。好きなんですよね雪駄が。よく下駄と間違われたりするんですけど、雪駄です。正装です。日本代表のときは、いつもコレ」と応じてくれた。

 役柄で受ける印象とは違い、とても柔らかな空気が漂う。映画デビューは2002年。キャリアは丸20年を超えた。185センチの長身ゆえに、友人からモデルを勧められたが、今はこうして俳優としての道を歩いている。振り返って、なにが青木さんにとっての大きなTHE CHANGEになったのだろう。

「2008年の南米へのひとり旅ですね」

 自分のTHE CHANGEを問われ、青木さんは、迷いなくそう答えた。

「2007年にNHKの朝ドラ『ちりとてちん』に出させていただきました。その放送中に会いに行った友人から、2008年は日本から移民船『笠戸丸』がブラジルのサントス港へ到着してちょうど100年だと聞いたんです。そのご家族が日系のコミュニティを支援している方たちで。僕はそれまでにも、海外にバックパッカーのようによく行っていたんですが、南米はまだでした。日本からブラジル移住がはじまって100年。それでイベントをよくやっていて。皇室の方も行かれていたりしているということでした」