決意表明を固めるために、物理的にマキシマムなところでその事実を感じたい

 まっすぐに語る青木さんの瞳には嘘がない。当時の想いを、常にそばに置いているのがよくわかる。

青木崇高 撮影/冨田望

「南米という、日本から物理的に一番遠いところで、僕が関わった作品を楽しんでもらっている。その笑顔や歓迎の喜びを実感することができたら、僕はこの仕事にちゃんと向き合っていられるんじゃないか。その最初の決意表明を固めるために、物理的にマキシマムなところでその事実を感じたい。それができたら、今後のモチベーションに繋がっていくだろう、と」

――もともと芸能界に入られたときは、「役者をやりたい!」「演技をやりたい!」と明確に俳優への意思があったわけではなかったんですよね?

「そうですね。俳優として歩きはじめて、まずはエンタメの力ってどんなものなんだろうと考えるようになりました。だから体で実感したかったんです。

 今なら配信もありますし、全世界に見られているという事実がもっと分かりやすくあると思います。でもやっぱり、そこの人たちの笑顔や会話、体温を、直接感じるというのは違うと思います。“ようこそブラジルへ、草々兄ちゃんありがとう”とか“おかえり”といった垂れ幕があったりして」

 こうした歓迎の様子は、青木さんがWEBで発表している『南米手記』に、自身の言葉だけでなく、現地の日本語新聞も掲載されている。読むだけで、こちらまで胸が熱くなってくる内容だ。