過酷な撮影を乗り越え、ものすごい結束力が生まれていた

――立っているだけで大変そうです。

「実際、神木くんも初日に具合が悪くなっていましたし。まあ、みんなそうでしたね。すごく揺れますから。酔い止めの薬を飲んではいくんですけど、バタバタと現場でみんな倒れていくんです(苦笑)。カメラマンもハーネスをつけて、絶対に落とされないように固定しながら撮影して。僕らも立ち位置に立てるかどうかすら分からない、という状況下での芝居でした」

――現実にもそんな戦いが繰り広げられていたとは。

「天気はいいけど波が高いとか、天候と空と風と波の条件が揃う日も限られていますから、“行ける!”となったら、すぐに船を出して、テストなしで、そのまま本番!ということもあって。みんな必死ですよ。

 監督も“OK!”と言ってくれるんですけど、“ほんとに見てました?”ってくらいの状況でした(笑)。その過酷な撮影を乗り越え、ものすごい結束力が生まれていたので、スタジオに入ったあとも、その浜松の撮影の話になるんですよね。それで、制作陣でもあそこに参加していない人だと“あの体験をしてない人とは話はできないな、俺たちは血も汗も、いろんなものを流しながらあそこにいたんだ”と言ってました(笑)」