人生を変えた数学の先生の“一言”
ーーそれはうれしいですね！
「はい。この体験を“こういうの、なんかいいなあ”と思っていた時期に、数学の先生がふと“僕の友達が、広告代理店でデザイナーをしている”と話していて。そのときはそんな職業があることなんて知らなかったんですけどね」
Ｔシャツ作成で得た成功体験と、その職業がリンクすることを無意識で感じとったかっぴーさんは、このときから、広告代理店に興味を持つことになる。
「調べたら、美大に入ればそういう仕事に就けるかもしれない、ということを知って。それまで美大は“本当に絵が好き”みたいな人が通うところだと思っていたから人生の選択肢に入っていませんでした。それが、高校２年生の文化祭で自分が考えもしなかった選択肢を提示された。そういう人生もあると知れたというのは、ラッキーでしたね」
『大根マン』から『左ききのエレン』へと続く道のりにあったのは、見逃してしまいそうなほどさりげない体験や、他人の発言だった。それらに気づくか否かが、かっぴーさんの岐路だったのかもしれない。
■かっぴー
１９８５年、神奈川県生まれ。漫画家。漫画原作者。株式会社なつやすみ代表。武蔵野美術大学を卒業後、大手広告代理店・東急エージェンシーにてアートディレクターとして勤務。Ｗｅｂ制作会社のプランナーに転職後、趣味で書いた漫画『フェイスブックポリス』がＳＮＳで拡散され話題に。２０１６年に漫画家として独立。リメイク版『左ききのエレン』（『少年ジャンプ＋』）、『アントレース』（『ジャンプスクエア』）、『１５分の少女たちーアイドルのつくりかたー』（『ビッグコミックスピリッツ』）、『晴天のデルタブイ』（『ＬＩＮＥマンガ』・『ｅＢｏｏｋＪａｐａＮ』）の原作を担当。現在は『ｎｏｔｅ』で『左ききのエレンＤＯＰＥ』、『ＷＥＢ ＵＯＭＯ』で『柳さん ごはんですよ』を連載中。また、複数の新連載漫画と原作版『左ききのエレン』のアニメ化も控えている。
