俳優・東出昌大。彼が歩んできた道は、他の誰とも異なっている。映画デビュー作『桐島、部活やめるってよ』で注目され、NHK朝ドラ『ごちそうさん』でブレイク。売れっ子となりながらも一転、壮絶な非難の対象に。しかし、そこから再び映画や、過酷なバラエティ番組などでも引っ張りだこになる存在となった。そんな東出さんのTHE CHANGEとはーー。【第2回/全4回】

東出昌大 撮影/三浦龍司

 2023年だけで4本目の映画が公開となる東出さん。作品への参加は「役柄よりも、まずは脚本から物語全体を読んで」決めるという。公開中の『コーポ・ア・コーポ』は、大阪のとあるアパートで暮らす住民たちの暮らしを見つめた人間ドラマ。

 共演者の笹野高史さん演じる宮地の言う「“ぼちぼちええ塩梅で生きとった”が非常にいいセリフだなと思って。そういう物語なんだなと感じて出演を決めました」と話す。

 東出さんは住人のひとり、いわゆる“ヒモ”として生きる、ニヒルな色男・中条を演じている。

「社会的に見たら、絶対悪のように思われる人だと思うんです。僕だって、女友だちから彼氏が中条みたいに“全然働かないんだ”と聞いたら、“そんな男やめたほうがいいんじゃない?”と言います。
 でも、中条にも中条の人生があって、今の生活を選んでいて、でも本人も迷っていて。非常に人間的だと感じました。僕自身はヒモという生き方は選択しないけれど、中条という人間のことは、とても魅力的に映ったんです。だからやりたいなと」