「死生観ということに限って考えるなら、確かに狩猟は大きいと思います」
「世間の方から見ると、東出のチェンジは3年前のスキャンダルだろうと思っているかもしれないんですけど、そもそもみなさんが僕のことを考える時間って、半年に1回3分あったかな、くらいですよね(笑)。それで他人の転機なんて分からないですよね。
だけど人って、決めつけたり、パキっと分けたほうが安心するんですよね。だから、これは僕という例ですが“東出の転機はスキャンダルだろう”とか、“結婚だろう”とか決めてしまいたいんだと思うんです。でも僕にしてみたら35年間、いろいろあったんです」
――それはそうですよね。
「ただ、死生観ということに限って考えるなら、確かに狩猟は大きいと思います。ひと言では言えないんですけど、この世って残酷なんだな、自分は残酷の上に成り立ってたんだと考えました。動物が好きで、自然が好きで。動物や自然のことを思うのなら自死が一番早いんです。
でも命を見つめて、家畜の肉を食べるばかりじゃなくて、自分で捕ってみたいと言って狩猟するようになって。でもそれでなにかに気づいたかということでもない。これって、文字にしにくいですけど、生きている間の全部って、死ぬまでの暇つぶしを、どう豊かにしようかと思っていることなのかなって最近考えるんです」
――死ぬまでの暇つぶしをどう豊かに。
「そんなこと言ったらもともこもないよ、という声も返ってきそうだけれど、でも生きている意味とか、何とか生きてきた意味とか、生まれ出た意味とかって、実はそんなにないんじゃないのかなとか思うんですよね。そんなことを、ぐるぐるぐるぐる考えて。結局、答えは出ないんですけど……。難しいです。ごめんなさい」