『さよなら人類』で60万枚の大ヒット、伝説のバンド『たま』のパーカッションとして知られる石川浩司。02年に『猛スピードで母は』で芥川賞を受賞、07年に『夕子ちゃんの近道』で大江健三郎賞を受賞した小説家・長嶋有。黒木華主演でドラマ化され、累計500万部突破の大ヒット作『凪のお暇』作者である漫画家・コナリミサト。豪華すぎる面々が語りあう「人生を楽しく生きるための特効薬」と、3人の『THE CHANGE』とはーー。【第2回/全7回】
『イカ天』出演後、『たま』に『THE CHANGE』のタイミングが訪れ、ビッグマネーが舞い込んでくる。そのとき『たま』のメンバーが取った行動とは!?
話題は自然に『たま』が『イカ天』に出演した89年頃の話に。コナリさんの『凪のお暇』の凪の両親はまさにこの時代に青春時代を過ごします。当時高校生だった長嶋さんが見た、89年の風景が語られます。
長嶋「『「たま」という船に乗っていた』は、石川さんが上京してくる所から漫画になっているので、『イカ天』前の状況が視覚的によく分かるんですよね。」
コナリ 「そうですよね」
長嶋「石川さんの呑気な眼差しながらも、うねりをもって89年へ向かっていくムードが活写されてますよね。コナリさんが石川さんに取材したときは、どういったことを質問したんですか?」
コナリさんの漫画『凪のお暇』の凪のお父さんは、『イカ天』的な番組出演を目指しているバンドマンです。当時のバンドマンのリアルな日常を知りたくて、コナリさんが石川さんに話を聞きに行きました。
――(編集・平田)「ノートにびっちり質問項目を書いてきましたよね」
コナリ「そうなんですよ。89年当時の様子をいろいろ知りたくて」
石川「あの日は最初から飲み屋集合だったね」
コナリ「そうなんですよね、くだけた感じで話をしていただいて。お塩を舐めながら飲んだりしてたとか、当時のリアルなおつまみ事情を聞いたりしました。あと、当時バンドをされてた方で、辞めた方はどうされてるんですかっていう話もお聞きしました。お薦めしていただいたのは、『馬の骨』という映画で、『イカ天』に出演された方が撮った映画です」
石川「あ、桐生コウジさんね」
コナリ「教えてていただいて映画を観たりして」
石川「桐生さんのバンド名も『馬の骨』って言うんだよね」
コナリ「なので、凪のお父さんのバンド名は『粉の骨』っていうバンド名にしました!」
長嶋「へえ~~!」
コナリ「『粉骨』です笑」