『さよなら人類』で60万枚の大ヒット、伝説のバンド『たま』のパーカッションとして知られる石川浩司。02年に『猛スピードで母は』で芥川賞を受賞、07年に『夕子ちゃんの近道』で大江健三郎賞を受賞した小説家・長嶋有。黒木華主演でドラマ化され、累計500万部突破の大ヒット作『凪のお暇』作者である漫画家・コナリミサト。豪華すぎる面々が語りあう「人生を楽しく生きるための特効薬」と、3人の『THE CHANGE』とはーー。【第6回/全7回】
コナリさんがずっと抱えていたトラウマを、石川さんがあっさり消し去る!
喫茶店から居酒屋へ場所を移し、1時間ほど経ちました。酒が深くなると、個人的な話になっていくものです。コナリさんにちょっとした『THE CHANGE』のときが訪れます。
~セッションについて~
石川「今年の春先に珍しいメンバーでライブをやったんですよ。僕と大槻ケンヂさんとROLLYさんとダイアモンド✡ユカイさん」
コナリ「え~!」
長嶋「面白そう!」
石川「4人で一緒に懐メロのフォークソングとかをイベントでやったんだよね」
長嶋「石川さんってハブになってるって言うかさ、アングラっておっしゃるけど、実は許容量が大きいんですよね」
石川「尻が軽いんですよね。面白い人を見つけたら何かが生まれるかもしれないので”セッションしましょう”ってすぐ言っちゃうんだよね」
長嶋「ミュージシャンシップというものがストイックになっていくと、他者を阻んで表現していく面もあるじゃないですか。石川さんは違うジャンルの人ともマルチにやりますよね」
石川「もしかして新たな何かが生まれるかもしれないし、ドキドキしちゃうんだよね」
コナリ「若い頃からみんなで楽しもうとしてたんですか?」
石川「面白い人がいるな、と思ったら、”即興のセッションでもとりあえず1回やってみませんか”って誘ってた。今、毎月1回ぐらい、『いしかわさんといっしょ!』って企画をやってて、僕がパーカッションで、相手がロック系の人、ボサノバ系の人、演歌系の人とか、どういうジャンルか全く分からないまま即興でセッションをしてます。そこでちょっと面白いセッションができたなって思うと続けてやる場合がありますね」
長嶋「若い人ともやるんですか?」
石川「僕のこと全く知らない20代の人もいますよ。”桶とか鍋でセッションするんですか? じゃあ1曲やってもらっていいですよ”って人もいるしね」
長嶋「やらせてあげるみたいな」
石川「尻軽なんだよね」
コナリ「こんなに素敵な尻軽っていう言葉の使い方、聞いたことがない」