赤井英和のキャリアは唯一無二だ。世界を狙えるボクサーから大事故で引退。その後、俳優となり。1989年公開のデビュー作にして主演作『どついたるねん』が絶大な評価を獲得し、以来、30年以上にわたって活躍を続けている。
 その活躍は、妻の佳子なしではありえなかった。一女二男を育て、マネジャーとして日々の現場にも同行。佳子さんが赤井家の日常を投稿するXは絶大な人気を獲得している。
 2人にとっての「THE CHANGE」とはなんだったのか。あらためて、30年にわたる半生を聞いた。【第10回/全10回】 

撮影/三浦龍司

 赤井佳子さんの人生が変わった瞬間、THECHANGEは、大阪の赤井英和さんの実家、赤井さんの父と母が暮らす家にピアノを持って同居したことだった。

佳子「誰にも呼ばれてないのに、押しかけて 喜んでくれると思って私は行ったけど、今考えてみたら別に結婚もしてないし、毎日出ていってほしい、ってにお義父さんから言われて。

 いや、別にお付き合いするのはかまわないけど、2人で東京におったらええやんって。なんであんた、ここにおんのっていう。私は、いや、またまた喜んでるくせに、って思ってて」

 赤井さんはこの佳子さんの大阪行きについて、どう思っていたのだろうか。

赤井「あ、しゃーないなー、と」

佳子「だからやっぱり、この白黒はっきりつけないところ? あんまりくっきり判断しない。そういうあんまりはっきりしないところと、かなり世間知らずなところが相まって、しゃーないな、行くって言ってるしみたいな。お父さんとお母さん喜ぶやろう、ぐらいな感じ」