気がつけばいつの間にか訪れていた人生の分岐点。「あのときああしておけば」「もしも過去に戻れたら」――? かつての分かれ道を振り返り、板尾創路がいま思うこと。(第2回)

板尾創路 撮影/川しまゆうこ

 中学、高校時代、僕はヤンキーでした。といっても、ファッションのヤンキーというか。僕が住んでいた地域は田んぼだらけの田舎で、ヤンキーしか「文化」がなかったんです。

 アイビールックは上の世代だったし、都会で流行っていたサーファーファッションも入ってこなかった。

「ヤンキー」か「普通」の2択しかなかったんです。どっちでもええけど、気づいたらヤンキーになってました。

『花の応援団』や『男組』といったマンガの影響もあったのかな。改造した制服を着て、バイクに乗って、喫茶店でタバコを吸って、というコースが当時のヤンキーの定番。授業をサボって、『男はつらいよ』の3本立てを観たこともありました。当時、二番館のチケットは500円だったんです。