「RINJIN」「パヤパヤ」などのヒット曲で知られるバンド『LA-PPISCH』(“A”はウムラウト付き。以下、レピッシュと表記)。そのフロントマンで、ボーカル・トランペットを担当するのがMAGUMIだ。2023年でバンド結成40年、MAGUMIさんの長い音楽人生の「THE CHANGE」に迫る。【第5回/全5回】

MAGUMI 撮影/松野葉子

 MAGUMIさん(60)に、レピッシュの音楽制作についてミュージシャンの視点から語ってもらった。

『CONTROL』の歌詞に見られるように、レピッシュの世界は現実社会ともリンクしつつある。筆者がそう伝えると「今もそんな感じでしょ」と不敵な笑みを見せた。

「僕はこういう世の中になるだろうな、って想像して歌詞を書いています。僕の歌詞が、そのまま世の中に起きていることもあるからね。8年前から“戦争が起きる“って書いていたし。でも僕は先生でもなんでもないので“こうしなさい”っていうふうには絶対言わないんです。それは、海外のパンクバンドの影響だと思う。彼らもそうだからね」

――バンド活動を辞めたくなったことはなかったのですか。

「辞めたいと思ったことはなかった。バンドは好きでやっていることだから。面白い作品もたくさん作れたし、辞める必要はないかなって思っていた。ただ、デビューした当初はレコード会社がちょっとアイドルっぽく売り出そうとした時もあった。自分のやりたいこととの板挟みになって、イライラしちゃったことはあった」

 生放送中もステージを飛び出し、縦横無尽に動き回るスタイルは、お茶の間を震撼させた。

「“テレビなんか出られなくてもいい”って思って好き勝手やったら、逆にウケてしまった。すぐにまた出演オファーが来るんですよ。そういえば僕が急にモヒカンになってテレビに出演したことがあった。レコード会社から“ポスターをたくさん作ったのに顔が違う! “ってめちゃくちゃ怒られた。そのときはマネージャーがすごく謝っていたけど……」