幸運だった『おっさんずラブ』出演

眞島秀和 撮影/三浦龍司

眞島「自分は恵まれていたなと思います。自主映画だったとはいえ、最初から李相日監督の『青~chong~』に出られたこともそうですし。『海峡』もその後のドラマ、『なぜ君は絶望と闘えたのか』(WOWOW)でメインをやらせていただけたのもそうですし、幸運なことだと思います」

 以降、話題作へ出演する機会が増えた眞島さん。近年、ドラマ好きの間で話題になった作品といえば、男性同士の恋愛を描いた『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)だろう。林遣都が演じる牧とかつて交際していた一見クールな独身貴族、武川を演じた。

眞島「『おっさんずラブ』で演じた武川はメインどころではありませんが、エンターテインメントの中で、ムーブメントになった作品に参加できたというのは、幸運だったなと思います。街で急に声をかけられるようになるといった経験はしていないんですけど、“すごく話題になっているな”と感じてはいましたね」

 きわめて冷静に語る眞島さん。20年のドラマ『おじさんはカワイイものがお好き。』で演じた、パグ太郎推しの課長・小路三貴を演じたことも、かなり話題になったのだが。

眞島「自分としては、犬を飼っていてかわいがっていたりしているので、“そうか、新鮮な感じで見てくださる方もいるんだ”、ぐらいな感じでしたね。自分のこういう部分をお見せできる機会だ、みたいな気持ちもなかったですし」

 幅広い役を演じ続けてきた眞島さん。それも『海峡』での主演があってのことだったのだろう。

眞島秀和(ましまひでかず)
1976年山形県米沢市生まれ。99年の映画『青~chong~』の主演でデビュー。その後、2007年のドラマ『海峡』(NHK)、10年のドラマ『なぜ君は絶望と闘えたのか』(WOWWOW)で準主演する一方、膨大な数の映画・ドラマで名バイプレイヤーとして活躍する。クールなイメージがありながら、18年のドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)や、20年の『おじさんはカワイイものがお好き。』では個性的な役どころを好演。1月5日公開の映画『彼方のうた』では、メインとして出演している。

『彼方のうた』
脚本・監督 杉田協士
小川あん 中村優子 眞島秀和
2024年1月5日(金)より全国順次公開