「お客さんの生のリアクションを見ないと、続けていけない」

――ザコシさんは単独ライブも毎年やっています。かなりたいへんだと思いますが、続けている理由はなんでしょうか。

「やっぱり、時事は取り込んでいったほうがウケるから、毎年単独ライブやるんです。2時間半全部、誇張モノマネできないから、1発目は漫談スタイルでやってみたり、2発目はモノマネ30連発ってやってみたり、次は企画コーナーでやってみたり、最後になんとか漫談ってやって。
 そうやって、いろんなことを並列にやっていったほうが絶対いいなと思って。たとえばテレビ局からオファーがあって、今回この企画やってください。で、わかりました。やりますって言って、まだ他に、これ以外になんかありませんか? って言われることがけっこう多かった。
 自分でいろいろ手玉を持ってたほうがいいから、並列でずっと同時に耕して肥料を与えて育てていったほうが絶対いい。だから、単独ライブではいろんな芸をやってきました。
 やっぱり第一線で行きたいじゃないですか。お客さんの生のリアクションを見ないと、続けていけない。鈍っちゃうんです。ライブに出ていないと。
 YouTubeに新ネタを出してやる、っていうパターンもあるんですけど、これウケてんのかな、っていう半信半疑ではテレビに出せないですから。ウケていないものをテレビではやれない。これは絶対にウケる、ってネタをテレビでやりたいじゃないですか。ライブに出続けていないと生の感じが伝わらないんです。だからみんな、芸人は単独ライブをやるんです」

 ザコシさんの常に新しいCHANGEを求める姿勢は、ずっと芸人でいたい、という強い意志から。だからこそ、ザコシさんは今日もテレビに出つづけている。

1974年生まれ、静岡県出身。2007年にバラエティ番組『あらびき団』(TBS系)でブレイクし、2016年にピン芸人の日本一を決めるお笑いコンテスト『R-1ぐらんぷり』で優勝。また、YouTube『ザコシの動画でポン!』は、登録者数25万人を超える人気コンテンツになっている。2023年12月30日に自身で番組の枠を買い、冠番組『提供ハリウッドザコシショウ』を放送。