「あ、私、本当にゾンビが苦手なんだ」

――居場所にもなるのでしょうか。

「そうですね。そういう意識でいると、楽しいんです。チームの一員だという感覚があります。自分が主演でやらせてもらったときには、とにかくひとりでも多くの人が、この現場に入れて良かったと感じてほしいなと思って、主演という役割を務めさせてもらっています。みんなで何かを作るっていうのが大好きなんですよ」

芳根京子 撮影/有坂政晴

――作品作りはやはりチームなんですね。ちなみに多くの役と出会ってきたと思いますが、「さすがに無理!苦しい!」と思ってしまったことはありますか?

「……これは、言っていいかどうかわからないんですけど……ゾンビの作品をやらせてもらったときに(※『君と世界が終わる日に』2021年)、“あ、私、本当にゾンビが苦手なんだ”と思いました(苦笑)。自分の彼氏がゾンビになっちゃった、という設定で、それがとてもリアルな特殊メイクだったんです。マジマジ見ると“うわ、すごい!”って素に戻っちゃいそうでした」

 ――特殊メイクさんの仕事ぶりが素晴らしかったんですね。

「本当に上手で。しかもテストと本番で違ったんです! テストではなんとか耐えていたのに、本番になったら水っぽさが足されて、よりリアルになっていて(苦笑)。こんなことは初めてなんですけど、マジマジ見ちゃうと我に返っちゃうので、あまり焦点を合わさないようにお芝居をしてギリギリ乗り切りました。いや、よくないことですけど。“私、ゾンビが本当にダメなんだ”って痛感しました」

 ――さきほど「技術はあまり」とのお話でしたが、そのときは技術で乗り切ったと。

 「確かに、技術で乗り切りましたね!」

 そう言って、飾らない笑顔で笑う芳根さん。現場の空気をつくるその能力を、あらためて実感した瞬間だった。

よしね・きょうこ
1997年、2月28日生まれ、東京都出身。2013年にテレビドラマ『ラスト♡シンデレラ』でデビュー。14年、映画『物置のピアノ』で映画初出演にて初主演を飾る。同年、NHKの朝ドラ『花子とアン』に出演。2016年後期にはNHK朝ドラ『べっぴんさん』でヒロインを務めた。ほか主な出演作に、1000人以上のオーディションで主演に選ばれたドラマ『表参道高校合唱部!』、『海月姫』『真犯人フラグ』『オールドルーキー』『それってパクリじゃないですか?』、映画『幕が上がる』『64 -ロクヨン-』『Arc アーク』等。『累-かさね-』『散り椿』(18)で、第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。最新の出演映画『カラオケ行こ!』では中学校の合唱部副顧問役を演じている。

 ●作品情報
映画『カラオケ行こ!』
原作:和山やま
監督:山下敦弘
脚本:野木亜紀子
出演:綾野剛、齋藤潤、芳根京子、北村一輝
(C) 2024『カラオケ行こ!』製作委員会
 配給:KADOKAWA 
公開:1月12日(金)