スーパー銭湯アイドルとして、幅広い年代に人気を誇るムード歌謡グループ『純烈』。その中心人物であり、リーダーを務めるのが酒井一圭(48)。子役から戦隊シリーズのヒーロー、そしてアイドルグループのリーダー。その変幻自在なキャリアの「THE CHANGE」にせまる。【第3回/全5回】

純烈・酒井一圭 撮影/冨田望

 

 「純烈のファン層は60代や70代の女性たち。彼女たちにとっては、アイドルに求めるのが優しさとか、ふれあい。近づくことで“もっと生きるエネルギーが欲しい”ってなってくるんです」

 そう持論を語るのは純烈のリーダーでもある酒井一圭さん。彼が作り上げた純烈とはどのようなグループなのだろうか。

 「僕たちは完璧さよりも、人間性みたいなものに特化している。若い人だと答え合わせもぴたっと合うか、合わないかの二択しかない。でも僕らぐらいの世代になっていくと、そんなの関係なくなってくる。かっこよくなくてもいい男ってたくさんいるじゃないですか。大人になると、それがだんだんわかってくる。子どもの頃は、人気者は決まっていたけど、大人になったら好みもバラけてくるんです」

――たとえば、どういう風に好みが変わってくると思いますか?

 「カップルでお互い外見はそんなに好みではないけれど、フィーリングが合ってずっと一緒に暮らしたりするとかあるじゃないですか。そういうのと純烈は一緒だと思う。だからまだまだ伸びしろがあるというか(笑)。これまでそういうエンターテイメントって、日本で作られてなかったから、僕たちが提示していこうかなって考えたんです」

 純烈のメンバーはそれぞれ40代後半とアイドルとしては決して若くはない。しかし、知名度も人気も結成当初よりも上がっている。

 「今までのオールタイムベストで考えても、キャリアハイを叩き出している平均年齢がアラフィフのグループって日本に存在していないのですよ。自分たちは周りからアイドルって言われるようになったけれど、グループとしての終わりもちゃんと見据えているんです。それは、今60代70代のおばあちゃんたちが死んだとき。だからそれはもう客席にも言っていますね。“あなたたちが死んだら、僕たちはずっと右肩上がりなのに、突然ゼロになります”って(笑)。だから団塊の世代がごっそりいなくなるとしたら、“我々も添い遂げますからよろしくね”って言っているんです」