ライブ後の打ち上げには行かない理由

――浜崎さんは『水玉自伝 アーバンギャルド・クロニクル』(20年/ロフトブックス)の中でも、ライブ後の打ち上げにはいかないと発言されていますね。そういう意味で、旧来の価値観とは違うと感じました。

浜崎「行かないです。あんなのこそ時間のお金のムダだし、サービス残業です」

松永「今でこそ打ち上げをしないバンドってものすごく増えたんですけれど、まだ2006、2007年ぐらいは、バンドとは打ち上げをするもの。酒を飲みタバコをくわえ、女性を抱き、はちゃめちゃな行動をする、みたいな価値観があったよね」

おおくぼ「僕はちょっと世代が上なので、それを聞いて少し心苦しいところがあるけれど……(苦笑)」

松永「昔、高円寺でライブをすると出演者よりもお客さんの方が少ないっていう状況も経験しました。でもみんなライブが終わった後に、庄やとかで朝まで打ち上げをするんですよね。

“この人たちは、なんのためにバンドをやっているんだろう”って思いました。でも当時は人脈を作らなければいけないと思って、打ち上げに参加してはモヤモヤして帰るみたいなことをしていました」

浜崎「私もバンドを始めた時に、“打ち上げで人脈を作るんだよ”って言われたんです。でもそんなものバカバカしいと思っていました(笑)。お酒がないと語れないとかそんな薄いつながりはいらんって言っていましたね。インターネットで人とつながれることがわかってきた時代だったから、飲み会がいかにムダかって感じていました」

松永「そうやって演者でもスタッフでもない方が打ち上げに現れたりするのも、当時のバンドやライブハウス界隈の日常だったんでしょうね。

僕らより前の世代のバンドの人たちって、そうやって活動していたんだと思う。でも自分たちからは、バンド自体のあり方も変わってきている。たとえば、楽曲の作り方も、アーバンギャルドは最初に打ち込みで曲を作って、バンド編成に変えていくというスタイルですし」

 まさに時代の潮目が変わるタイミングで現れたアーバンギャルド。メンバー3人で答え合わせをしながら、当時を振り返っているように見えた。お互いに遠慮なく言葉を交わしながら、切磋琢磨して作品を作り上げていくプロセスは、これからも続いていくのだろう。

アーバンギャルド(あーばんぎゃるど)
浜崎容子(Vocal)、松永天馬 (Vocal)、おおくぼけい (Keyboard)からなるテクノポップバンド。00年代に松永により結成。2007年に浜崎(Vocal)、2015年におおくぼ(Keyboard)が加入。結成15周年となる2023年には中野サンプラザで「アーバンギャルドのディストピア2023 SOTSUGYOSIKI」を開催。2024年2月28日にはニューアルバム『メトロスペクティブ』を発売。

■アーバンギャルド / メトロスペクティブ
(URBANGARDE / METROSPECTIVE)
初回豪華盤(CD+DVD)FBAC-207 ¥6600(税込)
通常盤(CD)FBAC-206 ¥3300(税込)
2024年2月28日(水)発売 FABTONE
既発曲「いちご黒書」「サンタクロースビジネス」に新曲10曲を加えた全12曲。アルバムは通常盤と、DVDが付属する初回豪華盤の2形態でリリース。

■アーバンギャルド presents
メトロスペクティブツアー 〜夢見るよりも夢になれ〜
ニューアルバム『メトロスペクティブ』リリースツアー。
東名阪バンド公演。さらに東京はダンサー、映像などを加えたホール特別公演!

3月9日(土)愛知・名古屋UPSET 開場18:30 開演19:00
3月10日(日)大阪・心斎橋VARON 開場18:30 開演19:00
3月17日(日)東京・神田明神ホール 開場17:15 開演18:00(特別公演)