「許したことが正義となるのはおかしい」面と向かって受けた批判の言葉 

 しかし、“別れない”という決断をしたことで金子さんもまた、周囲からの批判にさらされる。

「女性の中には許したことが“正義”となるのが嫌だ。そんな社会はおかしい、と面と向かっておっしゃってくる方もいました。私は“別れる”という選択を決して否定しているわけではありません。

 “別れない”という選択をした私が、寛容で強い女というわけではなもないんです。そもそも夫婦の関係性も様々です。他人がわかることでもないですし、人それぞれの選択・生き方が尊重される社会であって欲しいとは思います」

 そんな金子さんだが、自身も総務大臣政務官時代に公用車を使用して、子どもを保育園へと送迎していたことが17年7月6日号の『週刊新潮』(新潮社)によって報じられる。すると、金子さんの行動にも“議員特権では”と批判の目が向けられた。その時のことは、いまでも心残りだと金子さんは言う。

「本来ならば、民間企業も政治家も家庭と子育てを両立できる体制であるべきなんです。総務省が定める公用車の運用ルール上は“保育園などが公務に向かう経路上にあれば問題ない”とされていました。

 しかし、国民感情的な部分で“公用車で息子を保育園に送迎するなんて……”と批判を受けた。問題がないのならば、乗り続けるべきじゃないかともいわれました。

 しかし、批判を受けて公用車を使用しなくなったのは、一旦退かないと冷静な議論ができないと考えたからです。私のことをきっかけに、子育てと職務を両立できる政治家の働き方を議論したかったというのはあります」

 その後、またしても『週刊新潮』(2022年1月27日号)である女性政務官が金子さんと同じく、公用車を使用して子どもを保育園に送迎していたとして報じられる。