よしながふみの原作コミックを実写して非常に高い人気と評価を集めた、昨年放送のNHKドラマ10『大奥』。中でも最後の将軍、15代徳川慶喜(一橋慶喜)を見事に演じ切り、強烈な印象を残した大東駿介。登場した際、大東さんとは気づかない視聴者も多かったほど、完璧に慶喜像を作り上げていた。2005年から活動し、現在、ドラマ、映画、舞台と活躍。最近、新たにベーシストとしての顔も加えた大東さん。そんな彼の「THE CHANGE」とはーー。【第5回/全5回】

大東駿介 撮影/三浦龍司

 公開中のサスペンス映画『罪と悪』で、刑事の晃を演じている大東駿介さん。ある町を舞台に、13歳のときに同級生を殺された幼なじみの3人が、20年後に再会し、過去と向き合っていく骨太な映画だ。共演者には、主演を務める高良健吾さんと、石田卓也さんが顔をそろえた。

――同年代の、しかもキャリアもほぼ同じ高良さんと石田さんと組まれたことに、特別な思いはありますか?

「めちゃくちゃありますよ。高良君と一緒に話したりすると、“僕ら3人、同じ時代を生きて来て、ここで一緒にできて、うれしいね”と言ってくれるんです。もちろん僕もそう思うんですけど、でも、まったく同じではないんです。というのは、同じ時代を生きてきたと言っても、高良君は常に責任を背負って、真ん中に立ってきた人。そうやってきている姿勢を見てきたので、確かに同じ時間を生きてはきたけど、“見ている景色は全然違う”と思っていました」

――そうなんですか!? 意外です。大東さんも活躍されてますし。

「全然、違いますよ。僕なんか自分でちゃんと地に足をつけて仕事をできるようになったのは、ここ最近です。高良くんは20代、下手したら10代のときから研ぎ澄まされてました。だから同世代ではありますけど、高良くん本人にはあまり言えませんが、ちょっと追いかけてたっす」