眼光鋭いアウトロー、不器用な愛され男子、完璧な仕事をこなす頼れる部下……高良健吾さんを思い浮かべるとき、さまざまな作品での印象的な役柄を同時に想起してしまう。その共通点は、作品に対する真摯なまなざし。作品ごとに、前作品でのイメージをいっきにチェンジする力を持つ高良健吾さんが語る、「THE CHANGE」とは。【第1回/全5回】

高良健吾 撮影/三浦龍司

 ハットの影に隠れている表情が読めず、ほんの少し、取材現場に緊張感が走る。が、「よろしくお願いします」と深々と頭を下げ、高良健吾さんがしゃべりはじめると、ときおりカジュアルな口調になるのを間近で感じ、とたんにそのギャップに引き込まれてしまうのだ。

 そして、2月2日より公開中の主演映画『罪と悪』に話が及ぶと、高良さんは淡々と、だが情熱をのぞかせる口調で語ってくれた。

 高良さんが演じるのは、機能不全で荒れた家庭で育った少年期を経て、地元の不良を束ね、アウトローな仕事にも手を染める建設会社経営者、春。柄シャツにツーブロック、そして繊細なメガネの下の表情は、いつも変わらない。ひとめで、カタギではないことがわかる。

「小さな人間に見せたくない、というのがずっと自分の中のテーマでした。そして、怖い表情や芝居をするというわけでもないとも思いました。この役で僕がいちばん”怖いな”と思ったことは、仲間に闇の仕事をさせている間に、笑いながらレジ打ちをしているシーン。僕は、春の平然としているところを大事にしました」